妊娠の成立 ~ 排卵から着床まで不妊治療の基礎知識

【不妊治療を始める際、知っていなければならない基礎知識 ~ 排卵から着床まで】

 

 

 

この特集は2部構成になっております。

 ① 特集1がこのページで、着床に主眼を置いております。

 

 ② 複雑な排卵については、特集2として「排卵の基礎~ 内分泌」で記述しております。

 

 

 

 

 

◆ どんな方向けに書いているか?

 ① 特集1は・・・・「妊娠の成立 ~ 排卵から着床まで」

   不妊治療を始めたばかりの人はもちろん、

   既に体外受精を数回されている方にも、「着床」について必要な情報を書いています。

   

   見た目は良好な胚盤胞でも、その半分以上(加重平均値)は染色体異常になる

   「自然の摂理」を書いています。

 

   卵子の減数分裂のエラーを原因とする染色体異常も、淘汰されてゆく卵子を認める

   自然の摂理です。

    

 

 ② 特集2は・・・ 「排卵の基礎知識 ~ 内分泌」

   排卵は複雑なので、

   IVFステージの方または ステップUPを検討中の方向けです。

   FSH/LH   E2/P4などの内分泌の連携で排卵のメカニズムが動く自然の摂理を説明。

   擬似的にアンタゴニスト法(採卵)でそれに近づけようとしても、

   なかなか難しいのが分かると思います。→ こちら

   

 

◆ 改めて「妊娠の成立」とは・・・?

排卵から受精・着床までの流れ
排卵から受精・着床までの流れ

妊娠とは・・・

受精卵( 別名 胚と呼びます。)が子宮内膜に着床して発育する状態を妊娠といます。

 

妊娠は「排卵」 「受精」 「胚分割(卵管内で・・・)」 「着床」というステップを踏み成立します。

 

妊娠が成立すると、母体は胎児が発育しやすいように大きく変化していきます。

 

時系列を追っていくと・・・

 

排卵  →  ①受精  → ③胚盤胞  → ④着床(スタート)→ 着床(完了)

 

こうした流れになります。

特に着床時期は1週間程あります。(スタート~完了まで)

 

着床スタートの時期ですが、一般的に言って受精から1週間後に着床と言われていますが、

上のイラストをみて分かる通り、

排卵から着床スタートまでは6日間~8日間と幅があります。

 

排卵直前から子宮内膜の受け入れ作りがスタートしますが、個人差がある為です。

 

❶卵管内での胚の成長スピードと、

❷胚盤胞になった後の浮遊期間(着床の準備の微調整)の存在があるからです。

 

 

自然の摂理は、こうした微調整をしながら「着床の窓(=Implantation Window)」を

適切に開いてゆきます。

 

あらためて、「排卵から着床まで1週間」という概念は、❶と❷をベストなスピードにある

状態での着床と考えてみて下さい。

 

 

 

 

◆排卵

女性のカラダには、子宮の左右に親指の先くらいの大きさの卵巣が一つずつあります。

 

イラストの①のように

 

生理1周期につき、卵巣から1個の卵子がカラを破ってはじけて飛び出してきます。これが「排卵」です。

 

1個なのです。ここに生命の不思議があります。

 

 

「卵子の老化」という言葉をご存知の方も多いと思います。卵子の数には限りがあり・・・

 

卵子になる前に数十万の原始卵細胞が準備されています。

 

その残り数を図る目安がAMH(アンチミューラー管ホルモン)と呼ばれる数値でわかります。

 

思春期を迎えると、左右の卵巣から交互に!ほぼ4週間(28日周期)ごとの生理周期の中で

 

たった1個ずつ成熟した卵子が排出されます。

 

排出された卵子は、ラッパのような形をした卵管の先にある「卵管采」から卵管の中に取り込まれます。

 

これを「ピックアップ」 と呼ばれます。イラストにも書きました。

 

卵子が卵管采に飛び込むのではなく、卵管采が卵巣にガバッとつかみ込み、卵子を受け入れます。

 

 

 

卵管采が卵子を「ピックアップ」できなかったら・・・受精のスタートラインに進めないとことになります。

 

排卵から受精は、遅くとも24時間以内に行わます。

 

どこで受精は行わるのでしょうか?

 

卵管の膨体部です。

 

 

 

この卵管の膨大部で、既に待っていた精子と出会い・・・

 

受精・胚分割と卵管を通り、子宮に向かって進んでゆきます。

 

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◆受精

前核卵
前核卵

性交渉に射精された精子は、女性の膣の中に入ると・・・

 

子宮口から子宮頚管、子宮腔を通り、そして卵管へと進み その先にある卵管の膨大部である

 

「卵管采」で卵子と出会います。

 

精子と卵子がここまで来るまでも奇跡の一つです。

 

はじめは2億~3億あった精子も、精子にとっては長い距離の卵管采まで到達することには、

 

ほんのわずかの数に激減します。

 

 

 

不妊治療の原因は男女フィフティ・フィフティですので、旦那様の精子濃度や運動率や正常形態率に

 

問題がある場合などは、自然のタイミング療法では先にすすめなくなってしまいます。

 

 卵子と出会った精子は、先を争って卵子に近づこうとします。

 

卵子の膜を通って・・・入り込もうと精子は必死の努力を続けます。

 

その結果!

 

タイミングよく!たった1個の精子だけが卵子の膜を貫いて卵子の中に入ると

 

不思議な事に、その膜はたちまちのうちに性質を変えて、

 

他の精子が入り込めないようになってしまうのです。

 

卵子の中で精子の核と卵子の核が文字通り融合して受精は完了して、

新しい生命が誕生します。

 

受精1日の「前核卵」と呼ばれます。 

 

受精は、卵管膨大部で、排卵の直後から遅くても24時間以内に起こり、生命が誕生します。

 

 

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重要 【減数分裂からみた受精】

 

採卵レベルの話から始めると、それぞれの卵の成長の段階(Phase)が分かります。

 

 ○ GV期(germinal vesicle)の卵子: 第一次減数分裂・前期

 ↓            → LHサージにより成長が再開する

 

 ○ MⅠ期(Metaphase Ⅰ)の卵子: 第一次減数分裂・中期 いわゆる「未熟卵」です。

 ↓            → 場合によっては受精が可能

 

 ○ MⅡ期(Metaphase Ⅱ)の卵子:第二次減数分裂・中期 いわゆる「成熟卵」です。

 

 

一般的に受精前の卵子は、MⅡ期の卵子(成熟卵)なので、

 

先ほどの排卵直前に途中停止したままの状態から、

 

卵子は、受精時に第二次減数分裂(後期)を再開します。

 

精子が卵子に侵入すると減数分裂がまたリ・スタートします。

 

前核が合体して受精は完了※し、1個の胚として発生を開始して、

「前核卵」から「2細胞胚」となります。

 

その過程をイラストで見てみましょう。

 

※ 受精前のMⅡ期の卵子は、第一極体が放出されている状態ですので、

  ここに精子が入ると、前核(PN)と極体(PB)放出によって受精が確認されます。

  詳しくは、こちらのページで説明しております。

 

第1極体(1PN)を有するMⅡ期の卵子には

  母由来の染色体が23本入っている状態。

 

ここに精子が、父由来の染色体23本を持って・・・

受精しようとします。

 

※これから 受精の神秘が始まります。

    ↓     受精で2PN/ 2PBの 正常受精へと向かいます。

第2極体が発生して、2PB!

  ※ PBとは極体のこと

 

そして卵の中に核が二つ見えます。

  2PN

     ※ PNとは、前核のこと。

 

これで受精で染色体が

       46本となります。

2PNは「正常受精」となります。

もう一度、上記の受精卵(正常受精)を見てください。

  その上で、イラストで説明したいと思います。

 

卵子の減数分裂が正確に行われ、精子が入った時も、染色体の交換を間違えることなく実施し

 

受精時において第二次減数分裂を確実に完了させるのは、卵子の質です。

 

 

※ 詳しくは、「まとめ」のところで、後述しております。

 

◆胚分割

受精卵は胚と別名 呼ばれます。ここから先は「胚」と呼びます。

 

 「妊卵」です。

 

 

 

 

受精後35時間頃から、分割が始まります。

 

胚は卵管の中で細胞分裂を繰り返し、

 

発育をしながら、子宮内膜に信号を出しながら!!卵管内を子宮に向かって輸送していきます。

 

受精後約5日目の胚盤胞まで「胚分割」を進めながら、

 

卵管は、その分割胚を子宮に向かって輸送してゆくのです。 

 

それは!卵管の中で行われます。 卵管の大切な仕事です。

 

 

実際に、分割胚が「基準内のスピードと形」を維持しながら進むというのがまた奇跡です。

 

卵管の環境や、卵子の質(卵質)によって大きく左右されるからです。

 

卵管の中で!妊卵(=胚)は、受精後3日後に、桑実胚になります。

 

4日後には胚盤胞になっております。

 

そして! 5~6日後は、子宮内腔を浮遊しています。プカプカと浮いている訳です。

 

ここで大切なのは、体外受精をしている方ならば、その卵割のスピードが早い!と気づくと思います。

 

卵管で育つ妊卵の分割は、体外受精に比べて早いのです。

 

体外受精ならば3日目で、「8分割」あたりです。(胚盤胞でも5~6日目です。)

 

自然受精ならば3日目で、「桑実胚(16分割)」まで育っていることになります。

 

果たして スピードだけでしょうか??

 

 

 

そして大切なことは、この間に子宮の中では大変な作業が同時進行されています。

 

信号のやり取り(お話あい)です。

 

 

 

子宮内膜をフカフカに厚くして(20mm前後)まで大切な生命である胚盤胞を着床させる為の

 

ベッド作りをしているのです。胚分割の適正なスピードと胚のグレードを卵管の中で整えながら・・・

 

最高の着床タイミングは、神秘とも言える生命の不思議の中で行われている訳です。

 

 

 

子宮内膜は、高温期(排卵後)に厚くフカフカになるのですが、

 

子宮は卵巣からの女性ホルモンの働きによって、内膜が柔らかくなり厚くなります。

 

 

 

低温期には卵巣から分泌されるエストロゲンと呼ばれる卵胞ホルモン(E2)は、

 

脳に「内膜を厚くし、着床の準備をしなさい!」と命令をだしますし。

 

排卵後の高温期には、卵巣からの黄体ホルモン(P4と呼ばれます)は

 

脳に「排卵後の子宮内膜の状態をベターではなくベストまで整えなさい」と命令をだします。

 

正確にいうならば・・・

 

卵胞は、一個の卵子をポンと排卵した後に・・・黄体に変化します。

     

  ⇒ 「排卵の確認」として、しっかりとエコーで卵胞が破裂しているのを見せてくれる医師もいます。

 

黄体に変化した時点で、P4(黄体ホルモン)は体温を高くする働きがあるので、高温期まで体温を

 

もちあげていきます。そしてP4は協力者を求めるのに長けており・・・

 

エストロゲン(E2)と協力しながら内膜を厚くしていきます。 二人が協力するのです。

 

そして同時に!!神秘的なメカニズムの一つが発動してゆきます。

 

前述の信号のやりとりである 「クロストーク」です。

 

このように低温期・排卵・高温期と時間をかけて神秘の作業が行われてきたのです。

 

 

 

 

◆ 着床

胚(=受精卵)は1mm程の卵管の中で、細胞分裂(=胚分割)を繰り替えして、発育しながら

 

4日目に胚盤胞になり・・・

 

5~6日後には、子宮内腔を浮遊しているのです。

 

大切なのは・・・6日後に胚盤胞がどこにいるか?ということです。

 

絶対に子宮内腔にいなければなりません。

 

そして、その後1~2日も子宮内腔の浮遊して、自然の神秘的なタイミングを待っている訳です。

 

ただでさえ、卵管内にいた頃から、信号のやり取りをして着床のタイミングを整えてきた上に、

 

ここでも「待つ」訳です。

 

GOサインが出たならば・・・受精7日目に透明体を脱出(=ハッチング)して子宮内膜に接し

 

栄養胚葉が子宮内膜に着床が始まる訳です。  

 

ここまで受精から6~7日のスピードとなります。

 

 

一概に「着床」と言っても、「着床が始まる」のと「着床が完了する」のには日数差があります。

 

 ○ 着床が始まる   ⇒ 排卵後 6~7日後

 ○ 着床が完了する ⇒ 排卵後 12~13日後

                    子宮内膜上皮・欠損部が完全に修復されて、着床が完了となります。

                    文字通り 子宮内膜に埋没して完了となる訳です。

 

                    妊娠の始まりは、着床からと規定されいます。

                     

 

☆ 「着床の窓」の開いている期間

 

ここで大問題なのが、この時に「着床の窓」と呼ばれるものが開いているかどうかということです。

 

自然の摂理を説明してきましたが・・・ 窓が開いている期間は重要です。

 

子宮内膜の胚の受容期間は決まっていると考えられているからです。

 

窓が閉まっている時に、どんなにグレードのいい胚(=受精卵)が着床しようと無理なのです。

 

「窓」の理論には、信号の強さが関係してしていくからです。

 

 

 ※ これは重要なので、後で後述しております。

 

【信号の強さ】

 

別作業で進められてきた卵巣からの女性ホルモンの働きにより、胚の動きに合わせて

 

内膜が柔らかく、厚くなったところに「着床」。

 

ここに、神秘のメカニズムが存在しています。

 

これは、「信号」とか「クロス・トーク※」と呼ばれるものです。

 

治療ステージを上げてゆけばいく程、IVF(フリカケの体外受精)やICSI(顕微受精) さらに

 

2段階移植・SEET法(シート法)などは、このメカニズムの重要性が顔を出します。

 

   ※ クロス・トークについては、以下のイラスト「卵(受精卵)の生命力」で補足しています。

                   

 

 

 

6~7日あたりに・・・

 

胚盤胞は、受け入れ体制をずっとしてきた子宮内膜に入り込み

 

母体にしっかり結びつく準備が始まります。

 

day21前後 (生理開始から21日前後)だと言われています。

 

 

 

hCGと呼ばれる女性ホルモンが着床と共に分泌されて、赤ちゃんの胎盤形成へと進んでいきます。

 

 

 

 

◆ 排卵から着床までの1週間をまとめると・・・

上記のイラストは、IVF(体外受精)以外の卵管を使ったケースの例です。

 

【考察】

一方 IVF(体外受精)のホルモン周期では

 

黄体補充(P4↑)が始まる日をD0(仮の排卵日)として・・・

それから五日目のD5のタイミングで、着床準備の出来た子宮内膜をつくりあげて、

 

胚盤胞(day 5)を移植(BT))を子宮内膜に戻すのが「同期」となります。

 

文字通り、胚と内膜を同期させることで、最大限の妊娠率UPを目指すのがBT(胚盤胞移植)

 

着床がスタートするのは、一般的その翌日になります。

 

※ 凍結胚を解凍後の回復培養を経た「完全胚盤胞」のケース

  当然 「拡張胚盤胞」まで進んだケースでは、着床スタートは、もっと前倒しになります。

 

  移植後12時間から24時間で着床はスタートしていきます。

 

  そして約1週間の「着床期間」が始まります。

 

 

  【説明】   生命力のある卵 = 染色体異常を出さない質の良い卵子 

上記イラストのタイムテーブルをご覧になって下さい。

「排卵直前」 と 「受精」の時に、卵子の質の良さが問われます。 

 

 

質の悪い卵子とは・・・ 

卵子が老化すると、染色体の異常が増えても、細胞内の酵素が変化して正常な働きをしなくなり、

染色体異常の「傷」をリペアしきれなくなります。

 

卵子は老化すると、染色体の分裂構造に変化が起こり、分裂が不均衡になります。

⇒ 綺麗に染色体を捨てきれず、1本多く残したり、逆に1本少なくしたりすること。

  

 

その結果!

排卵直前!

  に起こる「第一減数分裂

 

●『受精』時!

  排卵した後の卵子(MⅡ期)に精子の侵入による「第二次減数分裂」の再開

 

この二つの重要な減数分裂時に「エラー」を出すと言われています。

染色体異常になるのは、このタイミングです。

 

このように卵子の質が叫ばれるのは、上の二つの関門があります。 排卵直前、そして 受精時

 

体外受精ステージの方ならば自分の胚の評価を知っているが殆どだと思います。

いい胚(受精卵)かどうかというのは、本当は胚の形(ガードナー評価)だけでなく

染色体のような本質的な問題から来ることですが、

それを調べるのは、日本ではまだ認められていないのが現状です。

 

それ故、ある程度、移植を繰り返していかざるを得ないとケースも正直あります。

同じ4AAの受精卵でも、年齢によって違うからです。

 

 

 

【最新情報 : 着床前スクリーニング検査の是非 学会が議論開始 2014春】

 

受精卵検査に新技術の導入是非が検討がスタートしました。

来年2015年春までに、日産婦の小委員会が結論をだすようです。

 

Q:着床前スクリーニングとは??

 

流産防止などを目的に体外受精をした受精卵の全ての染色体異常を調べる検査です。

子宮に戻す前に受精卵に異常がないか?を調べることで

流産率を防ぎ、妊娠する確立を高める効果が期待できる一方で、

 

受精卵の段階で生命を選別する倫理的な問題もからむ為に、慎重に結論を出す。

 

Q:なぜ?今の時期に??

 

新技術の確立されたからです。

 

 

今までも、受精卵を調べる方法は、あったのですが、以下の特徴がありました。

 

【既存の技術】

①一部の染色体だけ(サンプリング)に、蛍光塗料をつけて調べる。

②人の目で判断するために、ミスが起こりやすい。

 

  ↓

 

【新技術】

①すべての染色体を調べる。

②機械が読み込み、細かい異常もわかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

※排卵については細かいので、別ページで説明しております。

 

「排卵の基礎知識 ~ 内分泌」

 

 現在 IVF/ICSIステージ、またはステップUP検討中の方向け。

 

●内分泌の基準値

●ホルモン周期カーブ

●自然の摂理の中の「排卵」メカニズム。

 各種のホルモンが相互に協力しあい、1個の卵子を排卵する自然の摂理

 

 

 

 

更年期と不妊治療が重なる年代の方に是非読んで頂きたいです。

 ●day3 FSHが高い方,E2が低い方

 ●採卵において、いい卵子が育ちにくい方

 

 

 

 

 

 

 

◆ 着床後

着床後の流れ・・・

 

妊娠判定「陽性」から

 

安心圏内

10W0d(絨毛膜&脱落膜 完全癒着)までフライト

【妊娠の兆し】として

 ① 月経が止まります。

 ② 高温期が37℃前後で20日以上続きます。

 

 不妊治療をしていない方ならば、

 初めての産科での内診で5W位で入る方が多いと思います。

 エコーを一緒に確認しながら「袋(胎嚢)が見えますね」とモニターを指差されます。

 

 黒い楕円部分が「胎嚢」で、その中の白っぽいリング 部分が「卵黄嚢」になります。

 

 

 

【妊娠しているケース】

 

 判定前に高温期が続く理由としては、

 着床と同時にhcg(妊娠時のホルモンで、ヒト絨毛性ゴナドロロピン)↑の影響で

 黄体は、退化せすに、「妊娠黄体」となるので、P4の分泌が続くわけです。

 その為、予定生理の頃になっても、このように高温期が続きます。

 

 不妊治療をしている方ならば、上述の女性のような妊娠の判明時期よりも前に

 尿検査で自分でチェックする人も多いと思います。

 尿検査で「陽性」ならば、クリニックに行き採血でhcg値を診てもらう。

 

 

 【妊娠判定】

 

 一般的に妊娠判定は、受精後10日 つまり 着床後3日で陽性反応が出始めます。

 個人差があるので、その時のフライング尿検ではまだ「線」が出ない人も多いと思います。

 次の予定月経(妊娠4W0d)で、hcg値はほぼ100%となります。

 

 例を出すならば2w5dにBT(胚盤胞移植)をした人ならば BT9(移植後9日)が

 4w0dになり判定日にするところも多いです。

 

 参考までにフライング検査(自分で尿検を入れる)場合は、BT5あたりに実施すると

 信頼性のある反応が出てきます。

 

 

 【妊娠判定後のスケジュール】

 

 ① BT7(3d5d)判定ならば・・・hcg 80は欲しい値(下限でも40)

   BT9  (4w0d) 判定ならば・・・  hcg 100~120は欲しい値

                                        特にBT7からの5日間のhcg値の伸びは8~12倍も伸びます

             その為BT9で、hcg300~という人もいます。

 

 ② 胎嚢確認 (5w1d)    →  胎嚢サイズ確認 5~10mm

                位置確認 子宮底より10mmが目安

 

 ③ 心拍確認 (6w4d)   →  胎嚢サイズ   15~20mm

                胎児心拍    110~130/分

 

 ④ 心拍安定確認(8w1d)  →  胎児サイズ  14~16mm ※

                胎児心拍    160~190/分

   

                ※5日前の7w2dの目安は、9~11mm

                8wを超えると、胎児は1日1mmのスピード成長。

                ここで心拍が安定ゾーンに達します。

 

 ⑤ 胎児の成長が加速(9w0d) → 胎児は1日1.5mmの 加速成長ゾーンに。

 

 ⑥ 転院の安心域 (10w0d)  → 胎盤と子宮の隙間にある2層が完全癒着する。

                 絨毛膜と脱落膜の癒着。

                  

 

◆ 考察

排卵から着床までの一連の流れを書いてきましたが、

 

それぞれのステップが「奇跡」の連続です。

 

なかなか子供を授かることが難しくて、一連の流れの中でどこが障害になっているのか?

 

レディース・クリニックで検査してもらうことも一つの安心感につながると思います。

 

 

タイミング療法を自力でやるのは、最初は誰でもそこのステージから始めます。

 

「排卵時期」を明確把握すること。

 

 

 

 

子宮内・卵管環境を整えて、受精卵(胚)にとって良い環境を整えてあげることが大事です。

 

卵管内での胚分割という成長も、卵管内の血流の良さと関係がありますし、

 

同時進行している着床準備・・・・子宮内膜の厚さも、子宮内の血流の良さと関係があります。

 

 

そして、更に 遡るならば卵巣内の血流を良くすることで、

ホルモンバランスをキチンと取るのが大事です。

 E2 , P4, LH, Fsh などの女性ホルモンがそれぞれ、相互に絡みあって 正常な生理があります。

 

 

 

排卵の基礎知識を知りたい方は・・・

排卵日を明確にする!

詳細はこちらのページで

 

排卵の基礎知識 ~ 内分泌

 

主にIVFステージ またはステップUP検討中の方向け

 

排卵までの内分泌(ホルモン)の共同・相互作用を説明しながら

たった1個の卵子しか排卵しない自然の摂理を説明してます。

 

 

◆ IVF(体外受精),ICSI(顕微授精)ステージの方へ

今回 追加したこのページは、不妊治療の概論ですが、

 

「概論」というとビギナー向けの読み物と思いがちですが、

 

治療ステージがIVF(体外受精)やICSI(顕微授精)の方にも読んでもらいたいと思っております。

 

自然の摂理の中での排卵、受精、胚分割、着床にいかに近づけることができるか?

 

レディースクリニックは努力しているからです。

移植方法を例にあげてみれば・・・

 

10年数前の初期胚×新鮮胚移植 の時代は、受精卵を凍結するなんて・・・・と

 

凍結そして融解に耐えられる技術も希薄でした。

 

そして、ラボ(培養)の技術力UPで凍結胚移植で、子宮内膜の状態をみながら移植できるようになり

 

初期胚の胚移植(=ET)から 胚盤胞移植(=ET)まで、出来るようになりました。

 

更には、これらを同時にやる二段階移植、

 

さらには、ここでも紹介した「クロストーク」という基礎研究概念を通常のBTに応用したSEET法まで

 

出来るようになりました。 

 

最近は、卵子の老化の基礎研究も進み・・

 

原始卵胞が血流の影響を受け始める(=採卵期を含めた3周期前)前の2次卵胞の更に前の段階

 

・・・ 卵母細胞のDNAを修復できれば、卵巣の老化速度を遅らせることもできるかもしれないという

 

米ニューヨーク医科大の基礎研究発表が2013年 2月に

 

米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディソンに掲載されるなどがあります。

 

 

 

 

 

現在 不妊治療を受けていられる方で

自分が受けている治療を振り返ってもらえる材料となると思っています。

HR(ホルモン)周期・自然周期問わず・・・


出産から逆算していただき、今の治療ステージを振り返って頂ければ幸いです。


    ・ 出産
    ・ レディースクリニック卒業
    ・ 心拍確認
    ・ 胎嚢確認
    ・ 着床確認 (hCG 尿検査)
    ・ 胚分割  (受精卵が細胞分裂をやめないで、質の高い胚盤胞まで育つ)
    ・ 受精    
    ・ 排卵
    ・ 良質の卵を育てる  /  良質の精子

 

IVFやICSIの方は、特別なことをしている訳ではないです。


ただ、ひたすら 「自然の摂理」に近づけようと手段を変えて近づこうとしているだけですし、

 

AIH(人工受精)の方も、タイミング療法の方も同じです。

 

上にあげたハードルを一つ一つクリアして、本当に奇跡が奇跡が重なって生まれてきます。

 

◆ 着床の窓~ 

最近の「着床に関する研究」では、


着床するのには子宮内膜に最適の時期があり、


受精卵の到着が、その時期と少しでもずれていると着床が難しくなるという報告があります。


この最適の時期のことを『着床の窓』といいます。


インプランテーション・ウィンドウ(Implantation Window)と呼ばれる窓が開いている状態のときに、

 

胚がランディングすれば着床することができますが、

 

閉じてしまうと着床できなくなってしまうというものです。

 

つまり、着床は着床の窓が開いている時のみでしか成立しないということ。
 
自然に妊娠するような人の場合は、この最適の時期が3~4日と長い傾向にあります。


そうした女性たちは、月経周期19~22日あたりが、子宮内膜が胚着床(胚盤胞の着床)を許す時期と

 

一般的には言われています。

【参考】 子宮動脈血流と着床のリズム

 子宮動脈の血流を、血流抵抗(RI)で測り

 妊娠したグループと妊娠しないグループをところ

 

 胚移植前の血流リズムに「差」があることが、判明しています。

 (日本受精着床学会雑誌 28(2):414-417,2011)

 

 詳しくは、「子宮動脈血流と着床のリズム」のページで!

 ◆不妊に悩む方の「着床の窓」について

不妊の人は、この窓が開いている状態が1~2日と短い傾向にあり、

 

また、加齢とともにこの期間が短くなるといわれています。

 

 

 

体外受精(IVF)あるいは顕微受精(ICSI)を行っても妊娠しない場合には、

 

この着床の窓が閉じている時期に戻している可能性があり、

 

この窓を少しでも長く開けておくことができれば、

 

着床率はアップするにちがいないと研究者たちは考えています。

 

 

 

現在、その研究が進められているところですが、いずれにせよ、

 

『着床の窓』理論は、いままでブラックボックスといわれていた着床のプロセスの解明に

 

一歩近づけるものとして、大いに注目されています。

 

【5日目胚盤胞と6日目胚盤胞】  ~ 分割が遅い胚  ~ 

 

 

5日目胚盤胞と6日目胚盤胞の違いを気にされている方はIVFステージの方では多いと思います。

 

体外受精は、どうしても胚の発育が遅くなりがちです。

 

人によっては、体外培養により胚の発育が遅くなり・・・

 

胚盤胞に孵化(ふか)した時には、窓が閉じてしまっている人もいます。

 

新鮮胚移植では、6日目胚盤胞は基本的に移植はしません。(窓の問題)

 

これが凍結胚移植(BT)ならば、妊娠率はぐっと上がってきます。

 

おなじBTでも、HR(ホルモン周期)、そして自然周期とありますが、

 

凍結胚移植×ホルモン周期ですと、自然周期に比べて、「着床の窓」を開いている期間を

 

自然周期と比較して少し、後ろへずらすことが出来るので、

 

胚盤胞になるまで6日かかるような成長が遅い胚でも着床できるというメリットもあります。

 

 

《重要》  分割スピードもそうですが、胚盤胞への到達時間、その後の凍結時間も着床・妊娠率と

      関係があります。

 

      胚の評価で有名な「ガードナー分類」( 例 :3BB以上が一般的な良好胚) を

      以下のページで説明していますので、ご覧になってくださいませ。

 

 

 

 

胚分割と凍結胚移植のお話

 

 ↑ こちらをクリックして見てください。

 

 なぜ? 3BB (ガーナー評価)の胚が良好胚と言われるのか?

 なぜ? 3ABよりも3BAの方がいいのか?

 なぜ? 胚盤胞到達時間と、その後の凍結時間を重要視するのか?

 なぜ? 「拡張胚盤胞」をみんなが望むのか?? 孵化ってなにか?

 なぜ? ET・BTによって胚の戻し方が違うのか?

 

 新鮮胚移植と比較しながら説明しています。 

 

【卵管回帰説とは?】

 

初期胚を子宮に戻した場合、それは一度卵管内の戻り 

胚分割を継続して胚盤胞まで卵管内で育ててもらい・・・
子宮口腔をとおり、子宮内膜に着床するという仮説です。

 

子宮・卵管の蠕動運動は、E2(エストラジオール)によって促進され、

P4(プロゲステロン)によって抑制さます。
そのアクセルとブレーキのバランスにより、胚(受精卵)の移動が可能になります。

排卵から数日間は、E2が高くP4が低い時期になり、

子宮から卵管への移動が容易に蠕動運動により行われます。
子宮の蠕動運動と内分泌の強い流れにより、初期胚は子宮から卵管に流れこみます。

 

そして、卵管の働きである「胚を成長させる」自然の力をかりて、

卵管で発育して大きくなった胚は、
P4が上昇して子宮からの液流が緩くなった時点で、

卵管狭部の繊毛運動にって再び子宮に戻って着床するというもの。

 

 

 

 


 

 

【早く開いてしまい、早く閉じてしまう早期黄体化のケース】

 

 

窓が早く空いてしまうケースもあります。つまり 早く閉じてしまうということです。

 

 

 

ホルモン周期は、胚と子宮内膜のステージを同期させる必要があるため

 

 

早期黄体化の体質の方は、P4(黄体ホルモン)のフライング上昇により内膜が早く厚くなり

 

 

移植しようとした時には、窓が閉まってしまっているケースです。

 

 

※ 卵胞は排卵した後に 「黄体」に変化します。その後 P4を分泌して高温期に体温を上昇させます。

  

   P4は、E2(エストロゲン)の協力をうまく得ながら・・・・着床の土台を維持してゆきます。

   

 

胚盤胞移植が一般的に理想的なのは、こうした早期黄体化のケースでも結果が出せるということです。


最後に胚盤胞の着床率も 2回に1回しか着床しないことも知っておいて下さい。

 

それだけ、この窓の問題は難しいのです。

 

グレードがいい胚でも窓に入れないものもあれば・・・

 

グレードが悪くても、なぜか この窓に入れたものあります。

 

 

着床は、はやりブラック・ボックスであり、

 

現在のIVFは、一回で一発妊娠するという魔法の治療ではなく、

 

NGだった場合、移植方法や採卵方法に変化をつけて、妊娠への確率を上げながら

 

チャレンジし続けることで近づいてゆくのが高度生殖医療です。

 

窓が空いているわずかな瞬間に、生命力を託した胚を滑り込ましてゆく治療です。

 

 

 

「着床の窓」に代表される自然の摂理に近づける為・・・

 あなたの元へ・・・

 

 自然の摂理が働きますように!

 

 不妊に悩む全ての女性たちに

 

 Ibis(コウノトリ)が降り立つことを願っております。